様式:ビンディン様式
年代:13世紀初期
ベトナム語では、「Tháp Thốc Lốc」や「Tháp Phốc Lốc」と呼ばれる。Thốc=激しい、Phốc=巨大な、Lốc=竜巻という意味なので、どちらにしても巨大な竜巻の塔を意味しているようだ。他には「クメールの塔」という意味で、「Cao Miên」と呼ばれることもある。金塔という呼び名はフランスの研究者が名付けた。
金塔の造られた13世紀のチャンパ王国は、ジャヤヴァルマン7世治世のアンコール朝の大規模な侵攻に屈し、チャンパ王国の王都ヴィジャヤも一時期その支配下に置かれた。そのため、クメール人の影響を色濃く受けた建造物になっている。
祠堂は屋根の部分がほぼ崩壊し、草に覆われている。東面に開口部に前房があったものとおもわれるが、それも崩壊している。外側に砂岩の形跡がありレリーフが施されていたのであろうが、いまでは見る影もない。壁が崩壊しないように、とりあえずセメントで固めて補強してある。
小高い丘に建つ遺跡は神秘的であるものの、当時の祠堂の姿がほぼ残っていないのは非常に残念である。
MAP
クイニョン市内から国道1号線を北上すると、1時間弱で右手の小高い丘の上に金塔が見える。
天気の良い日は銀塔からも望むことができる。