様式:ビンディン様式
年代:11世紀初頭
「Bánh ít」とはもち米とさまざまな具を葉で包んだ食べ物です。
銀塔とも名付けられた小高い丘の上に建つこの遺跡には、主祠堂の他に宝物庫と碑文庫そして楼閣が残っています。
ビンディン遺跡群の特徴として、砂岩彫刻が多く用いられるようになる傾向があり、これはクメール彫刻の影響と言われている。主祠堂の破風部分に見事な砂岩製の彫刻が埋め込まれています。また、その彫刻の傾向からジャワ文化の影響も指摘されています。
前房は完全に崩壊してしまっているが、東の開口部の上には、カーラのレリーフのある破風彫刻が残っています。
主祠堂の隣に立つ舟形屋根の塔は宝物庫で精緻な花草模様が刻まれ、基壇の部分には宝物庫を支えるかのように、ガルーダのレリーフが連続して彫り込まれています
碑文庫は、主祠堂のやや下に位置し三層の屋根がかけられています。チャンパの碑文庫でほぼ完全な形をとどめているのは、この銀塔だけであるといいます。
11世紀の優雅なチャンパ彫刻は、フランス植民地時代に価値が再発見されてから盗難が相次いでいます。主祠堂のシヴァ神像のオリジナルが盗難され、現在はフランスのギメ東洋美術館に展示されています。
現在、主祠堂に祀られているシヴァ神は、レプリカの像です。オリジナルに比べて若干痩せ型になっているように見えます。

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