今日は、ホーチミンおじさんのちょっとおもしろい記事。
ベトナム南部ホーチミン(Hochiminh)は、ベトナム独立の英雄『ホー・チ・ミン』の名を関した都市であることは、ご存じの方も多いかと思います。
ホーチミンはもともとサイゴン(Saigon)と呼ばれていた都市で、いまでもサイゴンと呼ぶベトナム人も結構います。
サイゴンの話はおいておいて、ホーおじさんと慕われる『ホー・チ・ミン』の成果については、ベトジョーの記事をリンクしておきます。
建国記念日 ~ベトナムの9月2日~
ベトナム独立宣言(和訳付き) ~日本人が知らない歴史~
さて、この『ホー・チ・ミン』という名前が、本名ではなくて偽名であったことはあなたはご存知でしょうか?
しかもこの方、『ホー・チ・ミン』以外にもたくさんの偽名を持っていたそうです。
ホー・チ・ミンの出生と本名

ホー・チ・ミン(Ho Chi Minh)は、ゲアン省の貧しい儒学者の家に末子として生まれました。
儒学者の父の名前は、グエン・シン・サクといい。
そのサクの家で3人目に生まれたグエン・シン・クン(Nguyễn Sinh Cung)がホー・チ・ミンでした。
ホー・チ・ミンは、1911年にベトナムを出てから、約30年間海外を漂流していました。
「放浪の革命家」と言われていた彼は、パリ・モスクワ・広東など各地で、フランス植民地支配に抵抗する組織工作をしているなか、いつも偽名で活動していました。
ベトナムに戻ってきたのは、1941年ですが、その翌年中国に潜入するために中国人を装うため中国人風の名前を付けました。それが、「胡志明(ホー・チ・ミン)」という名前でした。
ホー・チ・ミンの使った偽名
ホー・チ・ミンは怪人20面相の如く、いろんな名を偽り活動していたらしいです。
ホー・チ・ミンの偽名は、19あったという説もあれば、32の名前を使い分けていたという説もあり、はたまた76の偽名があったという説を主張する研究者もいます。
全てではないですが、ホー・チ・ミンが使用していた偽名を下記に紹介します。
「ホ・クアン」
「グエン・アイ・クォック(阮愛国)」・・・愛国者グエン
「リ・トゥイ(李推)」
「ブォン(王)」
「タウチン(チンさん)」
「ワン・シャンル(汪山爾)」
「ソン・マンジャ(宋猛柞)」
「リノフ」
「リン」
「リエン」
「チャン」
「トゥ」
「ドン・ヴァン・ソ」
これだけ名前を持っていたら、自分が何者かわからなくなりそうだし、名前をよばれてでも自分のことを呼んでいるのか気がつかないのでは?って感じですが、
そこは、英雄だけあって、普通の人とは違ったのでしょうね。
ちなみに、東遊運動で有名なファン・ボイ・チャウもホー・チ・ミンと同世代でしかも同じゲアン省出身でした。
ベトナムの歴史をもっと知りたい方はこちらの本がオススメです。
物語 ヴェトナムの歴史―一億人国家のダイナミズム (中公新書)
posted with ヨメレバ 小倉 貞男 中央公論社 1997-07